仕事を全うすることは凄いことだ。 “「面白半分」の作家たち”


これは、

第三の新人」以降の

昭和の小説家が好きな人にはたまらない一冊です。



何せ

あの「面白半分」の生みの親である

名編集者・佐藤嘉尚さんが

創刊から休刊に至るまでの経緯を

編集長を務めた作家の思い出を交えて書き綴った回顧録なのだ。



登場する作家(歴代編集長)は、


吉行淳之介

野坂昭如

開高健

五木寛之

金子光晴

筒井康隆


といった面々。




通常「作家が編集長」と言うと

「名誉」だったり「お飾り」だったりと想像するけど

この雑誌は本当に

作家たちが「編集」の仕事(雑務除く)に関わっていたのですね。



それだけに

佐藤さんと作家たちとのエピソードも

凄く人間味があふれ、

凄く各作家のキャラが立っていて

面白い。



佐藤さんは、

大変な思いもされたでしょうが

そして

残念ながら雑誌はなくなってしまったけど

とてつもない人生の宝物を手に入れたのでしょうね。



仕事を全うすることは、すごいことだ。



読んでしみじみそう思いました。






※「面白半分」の作家たち 集英社新書
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0204-f/index.html