2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「しゃべれどもしゃべれども」の香里奈で思い出した。これは、とても好きな映画です。 舞台は沖縄の片田舎。主人公は、それぞれの理由で都会暮らしに疲れさとうきび収穫のバイトに集まった7人の男女。物語は、そんな彼らが、寝食を共にし、ひたすらサトウキ…
絵が凄い!コマの送りが凄い!構成が凄い! そして何より、作者オリジナルの世界観が凄い! 大友克洋の「童夢」を初めて読んだときくらいの衝撃でした。 ※「バクネヤング完全版」 松永豊和 小学館 http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/sol_deta…
これは凄い本。 特に「!」と思ったのは、以下の下り。 - アリストテレスは、人間をして「社会的動物」と定義しましたが、現代という時代は人と人の連携をきわめて薄弱にしても機能しうる様々な形質を獲得しています。でも、人と人とのつながりが薄弱になる…
春風亭柳昇が 陸軍歩兵として従軍したときのことを描いた回想記。 全編軽妙な語り口で、 面白おかしく書かれてますが、 冷静に読むと 彼が体験したことは強烈に過酷。 おそらく 当時の日本人で戦争に行った人は、 皆同じような体験をしているのですよね。 池…
ご存じ、談志の名著。 「現代」「落語」と「論」の組み合わせが何だか嫌ですが、要は、才気溢れる落語家が書いた「寄席入門」みたいな本だと思えばよい。 凄いのが、書いてあることは蘊蓄や説明だらけなのに、談志の高座を聞いているようにどんどん面白く読…
昨日、久しぶりに川柳川柳を観てきました。 友人のY君に付き合ってもらって 今やっている新宿末広亭・昼の部のトリ。 いやぁ〜、寄席に行くのは10年ぶり。 12時開始のところ、14時30分くらいに行ったのですが、 何と座席が一杯で、立ち見だったのにビックリ…
「の・ようなもの」と同じ、 こちらも二つ目の若者を主人公にした映画。 ただしこれは落語への関心を満たすというより、香里奈を楽しむための映画です。そんだけ香里奈がイイ! 作品について、ちょこっと触れると・・・ 落語家をテーマにした映画というより…
森田芳光監督のデビュー作。 作品の内容を一言で言えば、二つ目の青春群像といったところでしょうか。 凄いのは落語界の、空気感が生々しく出ているところ。 それも特に、明日に何の保証もない下積みたちの閉塞感と怖さみたいなもの。 よくタレントなんかが…
医者の家に育ち女子美出身というお嬢様が人気落語家に口説かれてふわっと浮いた気分になって結婚してみたが、 待っていたのは自分と年齢の変わらぬ弟子たちとの雑居生活だった・・・。 小三治の奥さんが良家の子女から噺家のカミさんに変貌していった経緯を…
初めて寄席で この人の高座に出会ったとき 一瞬何が始まったか分らず 狂ってるのか? と思いました。で、 すぐに芸だと分かり(当たり前だ) あとは爆笑につぐ爆笑。 凄い人がいるもんだ、と本当にビックリしました。 本書は、その「川柳川柳」の自叙伝。読…
1978年に起きた「圓生の落語協会離脱騒動」の一部始終を、 それに否応なく巻き込まれた 弟子の目から描いたドキュメント。 カリスマである師匠は 落語家としての名声と仕事があるからいい。でも、一緒に離脱するハメになった弟子たちはどうなる・・・!? そ…
立川談春の落語家修行半生記。 立川流に入門してから 現在にいたるまでが、 師匠・談志とのエピソード満載で描かれる。 弟子たちの必死の姿と あまりに人間臭い談志の姿に 全編、爆笑と涙の嵐。 特に ラストの小さん―談志―談春の物語は 胸に迫ります。 私が…
ホームレス ↓ 労働者 ↓ と来れば、吾妻ひでおの「失踪日記」。 ここまで客観的に自分の姿を観察して、面白おかしく描けるのは、天才漫画家ならでは。 サラダ油の下りが忘れられません。 ※「失踪日記」 イースト・プレス刊 http://www.7andy.jp/books/detail/…
山谷暮らしを疑似体験できる本! 筆者の大山史朗さんは、 会社員勤めに挫折し、 山谷のベッドハウスで暮らす 正真正銘の労働者(当時)。両足を山谷に置いた当事者が書いているのだから 面白くないワケがない。 ありがちな物見遊山ルポとはモノが違う。凄い…
〜もはやホームレスは他人事ではない〜 この帯のコピーが全てを物語る、怖〜いドキュメンタリー。 著者の松井計は、職業作家。それが一転、ホームレス生活に落ちた。コレは、その経緯が淡々と描かれている本。 読むと、この松井さん、何も、事業や投機に失敗…
今をときめく三池崇史監督の仕事半生記。全編が製作裏話で、メチャクチャ面白いんですが・・・ たんたんと語られるエピソードの一つ一つが、よくよく考えると半端じゃない。 鍛えが入っている。頭がいい。冷徹&ドライ。 これぞ、職業監督。 まぁ、凄いです…
これは凄い!!!何と、 手塚治虫の創作の裏側が、 全て原稿の実物写真で解明されている本なのだ。 掲載されているのは・アイデアメモ・キャラクターデザイン・三段階のネーム原稿・ペン入れ中の原稿・写植を貼り込んだ完成原稿・着色原稿・印刷指定原稿など…
チンチンのゴミである。 と喝破されたのが、狐狸庵山人。 遠藤周作先生は、 「フランスの大学生」を書いて後、 柿生に籠り、 実に素晴らしい進化を遂げられました。 「ぐうたらシリーズ」の面白さは永遠に不滅。中でも「ぐうたら生活入門」はお薦めです。 ※…
遠藤周作が戦後初の留学生として、仏留学をしたときの滞在記。 高校1年生のとき、初めて読んだが、あまりに感動して、慶応大学の仏文に入り、フランスに留学したい、とマジに思った。(結局、全然関係ない大学の国文で、囲碁部に入ったのですが・・・) 何し…
野坂昭如の作家人生回顧録。 面白いのは、 放送作家上がりの自分を「文壇」に紛れ込んだ異物として置き、 自分の作品歴との対比でもって、文壇史を描いている点。 この辺の着眼点が彼の凄いところで これは「野坂昭如」にしか書けない文壇史なのだ。 文芸誌…
天才・筒井康隆が、 持ち芸の「SF的被害妄想目線」で 「文壇」を一つの階層社会として捉え、 その裏側を生々しく描いて見せた傑作コメディ。 登場する「文壇」の階層は以下の3段階。 レベル①=地方の同人誌業界 (三流作家、アマ編集者、作家志望者が構成す…