2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

天才・田村信 「できんボーイ」

なぜか、主人公の名前が「ちゃっぷまん」。 なぜか、効果音が「ずももも」「しゅびびび」とか、全て平仮名表記。 そして、 そして、 なぜか、必ず「しり」を出す。 「できんボーイ」は、天才にしか生み出せないギャグ漫画。不朽の名作だと思います。 もっと…

坂口安吾の「言葉」

尾崎:先ず訊きたいのは君の「堕落論」だ。 堕落せよといっているんだ。 その意味は僕の解釈によればいままでの権威というものを捨てろ、今までの規約を一応御破算にせよ、それは停滞しているから、人生は常に流動しているものだ、権威や規約は動かぬ、そこ…

寸止め無しが面白い  「和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン」

マスコミがフィルターをかけて視聴者・読者の視界から除外しようとしている意見や情報。 今の世の中、寧ろ、そういうものに、関心があります。 とは言っても、ネットの書き込みや匿名情報は、必ずしも信頼できない。特定の人の悪意、思惑に、乗せられる危険…

テレビなんかそのうちなくなるよ! 「kamipro(紙のプロレス)」

最近試行錯誤を続ける「kamipro(紙のプロレス)」。 長年のファンとしてはここ数年、読むたびにゲッソリさせられることが多かったが 今号は凄く面白い! 何が面白いかと言うと 安藤健二(ルポライター)清田益章(超能力者)土屋敏男(第2日本テレビVOD事…

脳みそに刺さる 「地下鉄を降りて……」

このマンガ、ほんの16ページの小編。 最初はたぶん「奇想天外」で読んだのですがそのときは作者名もチェックせず何ともなく読み過ごしてしまいました。 ところがこのマンガの何かが脳みそのどこかに刺さっていたようで、後から時々ふと思い出すようになり…

いよいよ小鍋立ての季節到来  「池波正太郎 梅安料理ごよみ」

ついに、寒くなってきました。 明晩あたり、梅安を見習って、大根と浅蜊の小鍋立てで熱燗なんていかがでしょう? レシピは、この本に掲載されてます。 ※「池波正太郎 梅安料理ごよみ」講談社文庫 佐藤隆介/編 筒井ガンコ堂/編 http://www.e-hon.ne.jp/bec/…

私は自分の人生を生きているだけだ 「見城徹の劇的3時間SHOW」

もう1か月以上前の話だが「劇的3時間SHOW」というイベントに参加させて頂いた(なんと無料!)。これは、最前線にいるコンテンツクリエイター10人が日替わりで3時間という時間を好きに使う、というイベント。私が観せて頂いたのは、見城徹さん、石井光久さ…

まるで箱庭 「小津安二郎の映画読本」

小津安二郎って、お店のネオンや提灯の文字も、自分で書いていたんですってね。 「小津安二郎映画読本」を読んだら、カメラマンの川又昴さんのインタビューでそんなことが書かれてました。 カメラのアングル俳優の立ち居振る舞い、セリフ回し小物を初めとす…

盤に潜れ! 「ハチワンダイバー」

恥ずかしながら、大学の囲碁将棋部に4年間いたことがあります。 このマンガは人に薦められて読んだのですが、当時のことをいろいろ思い出しました。 この手の勝負事には強い弱い関係なく、人生の尺度や足場をそれに託している連中がウヨウヨいます。 彼らは…

幻想が膨らむ 「秘伝 当身術」

一昨日、会社の前の古本屋で見つけた。こういう変な本は大好き。 柔道のルーツは、日本柔術。元をたどれば合戦での武者同士の肉弾戦の中で生まれた実践的な武術だった。 だからそこには当然、「当身」という打撃技も含まれていた。 鎧武者同士の肉弾戦を想定…

カッコいいとは、こういうことだ  「さすらい」

永遠のマイトガイ・小林旭が、自分の半生を語った本。 デビュー当時の大部屋暮らしでのいじめ、美空ひばりとの結婚と離婚、映画の斜陽化による人気の低下、事業失敗による大借金 ・ ・ ・ 読んでみるとスポットライトの裏ではメチャメチャ嫌な思いも、死にた…

他山の石 「ビートたけしの賞味期限」

高信太郎が売れる前には仲のよかったビートたけしとの蜜月時代を振り返って書いた本。 この本の凄いところは、売れる前はあんなに応援してあげたのに売れ始めたある日を境に全く相手にされなくなった、あいつはヒドイ、ということが綿々と書き連ねてあるとこ…

小林信彦の立ち位置 「天才伝説 横山やすし」

小林信彦。 この人の本質は「編集長」なのだと思う。 言ってみれば「小林信彦」と言う雑誌の「編集長」。 どんなに売れてようと、売れていまいと編集長は媒体の価値を絶対と考えないとやっていけない。媒体が、対象物に飲み込まれるワケにはいかない。 だか…

ハードボイルドファン必読の傑作論文! 「大藪春彦を量的に分析する」

昔、新評社が出した「大藪春彦の世界」に大藪ファンなら絶対読んでおかなくてはならない永遠不滅の傑作論文が掲載されています。 それが、佐藤秀郎さんの「大藪春彦を量的に分析する」です。 実はこの論文、大藪春彦の小説を全部読みなおして作品別・主人公…

あがき続ける男たち 「アンチェイン」

史上最高にカッコいいドキュメンタリー映画。 「あちら側(一般社会)」では確実に負け犬の烙印を押された男が、「あちら側」との鎖を引きちぎろうと、あがき続ける。思いきり「ボーダー」の世界です。 登場人物はアンチェイン梶(キックボクサー)と、ガル…

アンチェイン・マイ・ハート 「ボーダー」

コミックは発表された瞬間に、作者の手から離れ、読者のものになる。 幻想かもしれないと感じていても、永遠に、蜂須賀先輩に憧れ続けると思います。 ※「ボーダー」 狩撫麻礼原作、たなか亜希夫作画 http://jp.youtube.com/watch?v=Zb5Q_waKDCE

三国志と言えば・・・「柴錬三国志・英雄ここにあり」 

漢学を学んだ柴錬ならではの独特の文体、言い回しが最高にエモーショナル!もう何度読んだか分かりません。 もちろん、柴錬のこと、物語を追っているだけではない。 全編を通じて描かれているのは「至誠」に殉じる豪傑・英雄たちの美しい姿。 いくらでも栄達…

斬人斬馬!三国志英雄博覧会映画  「レッドクリフ」

この映画が前篇とは全く知らなかったぞ(笑)。でもそんなことはどうでもいい。 何しろ、とてつもなく面白かったんだから。 冒頭の30分、趙雲が阿斗を背負って、曹操の大軍相手に獅子奮迅の大脱出、これを見ただけで三国志好きのリピドー最高に達し、続く関…

とにかく、よく食う米国人 「スーパーサイズ・ミー」

10年ほど前、私のいる会社が米国の某企画会社を招いて国内ロケハンの旅をセットしたことがあった。時期は真夏。アテンド要員は全員社員(私も末席にいた)。期間は2週間のぼり、その間は「米国企画会社の言うことは全部聞け」というミッションを受けていた。…

アドリブの秘密 「森繁久彌 86才 芸談義」

これは、1996年に倉本聰のラジオ番組に森繁が出演したときのテープを本に起こしたもの。 役者に台本を一文字も直させないことで有名な倉本聰が「アドリブ俳優として名高い森繁に突っ込む」という図式に、企画の面白みを感じます。 そして(本は薄いんですが…

どういう立ち位置で書いているのか? 「シネマと書店とスタジアム」

ずいぶん前に読んだんだけど、読んでいて、なんとも気持ち悪かった。 特に気持ち悪かったのは「映画評」。 一言で言うと、えらそう。あなたは何様って、感じ。(なんだか朝日新聞っぽい) まるで自分が映画の名監督でもあるのような・・・その書きっぷりが生…

無言の向こう側の饒舌 「声をなくして」

喉頭がんで「声」をなくしてからの永沢光雄の日記。昨日通勤電車の中で読み終わりました。 心の奥から、これだけの思いと言葉が迸っているのに人からは無言にしか見えない永沢光雄・・・。 でも、たった一人、そんな永沢の「声」が聞こえていたとしか思えな…

地べたからの視点  「強くて淋しい男たち」

エロ雑誌業界で産湯をつかった永沢光雄のメジャーデビュー作ともいえるスポーツ・ノンフィクション集。 巻頭、書き下ろしで、「スポーツ・ノンフィクションと言えば沢木耕太郎」、「俺も沢木みたいに」と、この初めての仕事に取り掛かったことを告白している…

永沢光雄のノンフィクションって・・・ 「AV女優」

永沢光雄の「声をなくして」を読んでいるところ。 現時点で三分の一くらいだが、最初の方に沢木耕太郎を例に出し、永沢なりのノンフィクション論を語っている箇所があったので、この本を思い出した。 彼の「AV女優」を初めて読んだときはビックリした。タイ…