私は自分の人生を生きているだけだ 「見城徹の劇的3時間SHOW」



もう1か月以上前の話だが

「劇的3時間SHOW」というイベントに参加させて頂いた(なんと無料!)。

これは、

最前線にいるコンテンツクリエイター10人が日替わりで

3時間という時間を好きに使う、というイベント。

私が観せて頂いたのは、見城徹さん、石井光久さんの回。




結論を言うと2回とも、

「劇的3時間SHOW」初体験ということもあって、

とてつもなく面白かった。




特に刺激的だったのは、見城さんの回。



もう少しすると忘れてしまいそうなので、

備忘録のつもりで

その時感じたことをここに書いておこうと思います。





★会場の雰囲気自体が、面白かった。




場所は原宿のスパイラルホール。

イベントスペースなので平ら。しかも窓一つない密室。


客席はパイプ椅子が

少しだけ高い位置にあるステージを囲むように

放射状にその平らな床に並べられている。

ステージだけにスポットが当たり、客席は真っ暗。



出演者からするとぐるりと周囲180度、

300人(筆者目測)×2ケ=600個もの目玉から

少し見上げて凝視されてる感じだろう。




観客のこちらからすると

見城徹」という生体サンプルをみんなで観察している感じ。



見城氏本人は実は相当な人見知り、講演嫌いだそうで、

このイベントも断りきれない大人の事情で参加されたようだ。



それだけに、

このシチュエーションは

ご本人に相当なプレッシャーだったことは十分考えられ、

後から思うと

自分を鼓舞しながら、声(思い)を振り絞っている様子がありあり。



ここでしか見られない

本音・素・逆上気味の「見城徹」が見られたのかもしれない。





無言の観客の圧迫感と、

それに感応して、いらんことまで喋ってしまう出演者。




この会場は

言ってみれば

出演者を逆上させる装置?




これが普通の劇場で行われ、高い舞台と並列の客席の関係だと、

結果=面白さが全然変わっていた気がする。




映画や演劇のような加工物ではなく

こうした素の人のトーク

しかも

1対大勢の

生の「人」と「人」のフルコンタクトという感じは一種独特。

言葉だけでなく

人間力やオーラのセッションという感じがして、

不思議な興奮、そして熱気があった。




私はイベント経験があまりないので、

こういう会場のあり方自体が、凄く新鮮で、面白かった。






★生・見城徹も、期待以上に、面白かった。



私は「つかこうへい」の大ファンで、

「つかへい腹黒日記」などにたびたび出てくる「見城」なる編集者に

昔から関心を持っていた。


今は幻冬舎社長。


つかへいモノで見る「見城」と

テレビや本などで見る「見城社長」とは

著しくギャップがあり、

生・見城を見て本当はどうなのか?と、

そこに野次馬的関心があった。



実際に見ると、

想像以上のギャップ。

当たり前だが

素の見城徹さんは、つかへい版の見城さんとは全く別物。



生の「見城」には予想をはるかに超えた個性と迫力があった。



これくらいの人間力と強い思いを持たないと、

それこそ「異端」のクリエイターたちと正面から対峙し

踊らすことはできないんでしょうね。

(この個性と迫力が、

 普段は一人のターゲット=作家に焦点を当てて

 波動砲のように放射されているかと思うとなんとも恐ろしい)



逆にこんな強烈な人を

作品中であんなキャラに昇華させてしまう、

つかこうへいも凄い。



「異端」同士とはこういうことか・・・



なるほど〜っと、思いました。







★見城氏の話がまた、よかった。



「自分は自分の人生を生きているだけだ」




これが、彼が語った中で、一番印象的だった言葉。

これって、客席から来る無言の圧迫感・期待を

押し返すために出た言葉なのかもしれないが、

今の私の心には一番響いた。




実際にムーブメントを起こしている人の言葉なので、異様に説得力があった。



だいたい、

私も含めて

ここに集まった人たちは、

いったい何を求めて来たのだろう?




あの言葉を聞いてからは

熱く語る見城氏の姿と、

その手前に

ずらっと並ぶ観客の後頭部を、

交互に眺めながら

ずっとそんなことを考えていた。




そしたら、



「人」の「人生」の話を、こんなところで聞いている場合か?



と、頭の中で、彼の言葉が変換された。






★観終わって



「自分は異端であり、マジョリティではない」


「クリエイターは異端」「異端でないと(新しい)作品は書けない」


「一人の熱狂から凄いものが生まれる」


「異端と異端が作ったものをどうお金に換えるか」(が仕事だ)


「努力したら必ず何かを残さないといけない」


「人生、スリルがないと面白くない。今、自分がスリルを感じられるのが、出版と言う仕事と女、だけだ」

  ・
  ・
  ・

こんなところが、記憶に残っている見城氏の言葉。

(こうしてみると、一つ一つが捨て鉢で素敵ですね〜)




サプライズゲストも出演されたので、

参加した観客によって、

心に残った「言葉」「話」「こと」は皆違うでしょうし

受けた「影響」があるとしたら、それも人それぞれでしょう。

それを300人もの人がみな、

自分の生活や仕事のステージに持って帰っていったと

想像したら、

とても面白いし、

凄いことだなと思いました。



「人の話を聞く」というだけのことが、こんだけ凄いことになっちゃう。


イベントって面白いんですね。







主催者の方々、ありがとうございました。

無料イベントだけに、寧ろ大変なご苦労があったことでしょう。

おかげさまで

とても素晴らしい体験をさせてもらったと思っております。





※追記:

個人的な興味として、

舞台横のスクリーンでは、

たまに見城氏の主観eyeカメラで客席をなめて、

見せてもらいたかったなと思いました。

(この濃密な空気がさらに濃くなったような・・・素人考えで恐縮ですが)

あと、石川さんの回では

タランティーノ話も生で聞かせて頂きたかったな〜と思いました。





※「劇的3時間SHOW」
http://www.geki3.jp/top.html